インプラント治療と歯周病 Perio
歯周病は歯を失う原因のNo.1!
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慢性疾患であり、
目立った症状がないまま
進行することもあります -
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治療の基本は、掃除をして
きちんとデータを
とることです -
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何より大事なのは、
毎日のブラッシングです
歯を喪失する原因のほとんどが、歯周病と虫歯だと考えられています。その2つのなかでも歯周病の割合がより高く、歯にとって最も厄介な病気の一つだといえます。
しかし、30~40代以上の人の約8割が、歯周病にかかっているとされています。さらに、年代が上がるにしたがって歯周病が進行している割合が増え、この傾向は歯が喪失していく70代くらいまで続きます。
なぜ恐ろしい病気でありながら、これほど多くの人に歯周病が進行してしまうのでしょうか。それは、歯周病の初期段階は自覚症状がなく、罹患していることに気づかないまま歯周組織が破壊されるためだといえます。
このように慢性疾患である歯周病を予防するには、毎日のご家庭での歯磨きが欠かせません。また、定期的に歯科医院でチェックすることで、お口の中をクリーニングし、歯周組織の状態を確認することができます。
インプラント手術と歯周病治療について
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「天然の歯」を
できるだけ残すために
行ないます -
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長く、健康的に
噛むための
噛み合わせを
追求します -
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必要最低限の
インプラントを
心がけています
インプラント治療は優れた治療方法だといえますが、当院ではどのような症状に対してもインプラント治療をするべきだとは考えていません。インプラント治療の前に、まずは患者さま自身の歯を可能な限り残す方法を考えていきます。
歯周病は重度になってしまうと抜歯を視野に入れなければならなくなりますが、どれくらい進行しているのか見定め、それに適した治療をすれば、歯を残せる可能性が高まります。なるべく天然歯を残せるよう、歯周組織の状態を丁寧にチェックしていきます。そのうえで、必要最低限のインプラント治療を行ないます。
インプラント治療そのものも、ほかの歯に負担をかけないという意味では天然歯を残すことに寄与します。当院の歯周病治療とインプラント治療は、天然歯をより健康な状態にし、正しく噛み合うことを目的として実施しています。
歯周病は気づかないうちに
骨を溶かすことも
歯周病は、歯肉や歯を支える骨などの歯周組織が、細菌によって破壊される病気です。はじめの段階では自覚症状が出にくく、当院でも30代以上の患者さまに歯周病の初期症状が見られるケースが多くなっています。
歯周病を引き起こす細菌は、歯垢というかたまりを作って歯にこびりつきます。これが硬くなると、歯ブラシでは除去できなくなる歯石に変化します。はじめは歯肉の炎症や出血という症状だったものが、放置してしまうと骨を溶かしていきます。そして、重症の場合は歯を抜かなければならなくなります。
治療方法としては、まず歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)の深さを測り、歯周病がどれくらい進んでいるかを確認します。現状を把握したうえで歯垢・歯石を除去し、炎症を和らげます。そのうえで、ご家庭での歯ブラシ指導を行ないます。
歯周病は、毎日の歯磨きと定期検診で予防できます。長く歯医者さんに行っていないという方は、まずは検診を受けることをおすすめします。
あなたの歯をなるべく
残すための取り組み
インプラントは天然歯に近い機能をもってはいますが、完全に天然歯と同じではありません。特に大きな違いは、治癒能力の有無です。天然歯は清潔さを保てば長きにわたって使うことができますが、インプラントは経年により劣化していきます。
そのため、当院では天然歯をできるだけ残す方針をとっています。これは、インプラント治療でも、歯周病治療でも共通しています。例えば、インプラントは周囲の歯を傷つけることなく固定できます。これも、天然歯をなるべく残す取り組みの一つと言えますが、まずは歯周病治療によって口内環境を回復し、噛み合わせやバランスを確認したうえで必要な部分のみにインプラント治療を行なうよう努めています。
インプラント治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
- 高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
- 手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
- 手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
- 手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
- 手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
- インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
- 毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。
歯周病治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
- 歯周病の進行状況によりますが、歯垢や歯石の除去時に痛みを感じることがあります。
- 治療に対して患者さまが協力的でない場合は、改善に時間がかかり、治療期間・回数が増えることがあります。
- 歯周病の基本治療で改善しないときには、外科的歯周治療や歯周組織再生療法が必要になることがあります。その場合、歯肉を切開するため腫れや痛みをともなうことがあります。
- 治療後歯肉が下がることがあります。
- 治療によって歯肉が引き締まってくるため、被せ物と歯肉の段差とが目立つことがあります。